過食症を治療するには…
過食症を治療するには、薬を使ったりカウンセリングなどいくつかありますが、ここでは3つの治療法をご紹介します。
●投薬による療法
うつ病や不安障害などによって過食が起きている場合は、向精神薬を使用することで軽減できることがあります。
強い不安にとらわれて過食行動を起こすケースでは、抗不安薬が効果的なこともあります。
いずれにしても投薬による療法は根本的な原因の解決にはつながりにくいため、カウンセリングなどを併用したほうがいいでしょう。
●認知のゆがみを修整する認知行動療法
過食症になってしまう方には、「完璧主義」や「自分を低く評価してしまう」「感情をうまくコントロールできない」「対人関係がうまく築けない」「体型や体重などに強いこだわりを持っている」といった傾向が多く見られます。
自分をコントロールしなければと過剰に思い込むことで自己抑制のバランスが崩れ、「食べ続ける」ことになり、それがまた罪悪感を生むという悪循環を起こしてしまいます。
認知行動療法は、その根底にある体型や体重へのこだわり、低い自己評価、人間関係などにアプローチする療法です。過食症などの摂食障害がある方は、自分の気持ちや体型などを客観的にとらえられずに、ゆがんだ認識を持っているケースがあります。
そこで、まず食事時間や食事量といった食生活を正常なものにしていきます。それとともに、心の中にある認知のゆがみを本人に気づいてもらえるよう支援します。
さらに、自分の考え方などを話したり、文章で表現することによって客観的にとらえられるように導いていきます。
認知行動療法にはある程度の期間が必要ですが、自分を客観的に知ることができるようになり、自己否定することなく、ストレスなどに対して過食以外の対処ができるようになります。
●落ち着きはじめたら集団療法を
セルフヘルプグループセラピーとも呼ばれる集団療法は、同じ悩みや苦しみを持つ人たちが集まって、お互いにその気持ちや体験を話し合うことで立ち直っていく療法の一つ。薬物療法や認知行動療法によって過食行動が落ち着きはじめた頃に行うと効果的です。
同じ苦しみ、体験を持つ人同士が集まり、ともに支え合ったり、立ち直った人の体験談を聞くことは自分に置き換えることができ、心の支えにもなります。
実施しているところは限られますが、ネットで調べて連絡を取ったり、診察を受けている医療機関から情報を得ることも可能です。興味がある方は、ぜひ試してみてください。
信頼できる医師やカウンセラーと一緒に治療を
過食症は心の病気の一つで、食への感情があふれて「食べ続ける」ことに現れたものです。
ですから、学校や職場、仕事、人間関係などで抱えているストレス、過去の体験や自分自身の考え方などについて自ら認識することが大切です。そして、過食から脱出するには、それらを安心して話せるところが必要です。
まずは過食であることを認識し、その治療には医師やカウンセラーを信じて一緒に取り組むこと。あなたが、あなたらしく暮らしていくためにも、ぜひ一歩を踏み出してください。
コメントを残す