知らずに洗濯物にくっついていたり、小さな隙間から室内に侵入してくる臭い虫「カメムシ」。
そんなカメムシを、迂闊に触ってしまうと…
独特の臭い分泌液を出し、それが手や衣服に付くと容易には取れません。
そんなカメムシの臭いは、実は水では落とせません!
今回は、そんな手や衣服に付いた厄介なカメムシの臭いを落とす方法を紹介します。
カメムシがあの臭いの理由
カメムシは、通常は特ににおうわけではありません。
しかし、危険が迫るとあの独特なにおいを出して、自分を守ろうとします。
外敵から身を守ろうと、あのにおいで防衛するのです。
ですので、カメムシをうっかり触ったりすると、あのにおいを出してきます。
また、このにおいによって、仲間に危険を知らせてもいます。
防衛だけでなく、警戒フェロモンとしての役割も持っているのです。
さらに、緩やかにそのにおいを出すことにより、集合フェロモンとしての役割もはたします。
これはゴキブリの糞なども同じ役割を持っています。
また仲間を呼びよせる、道しるべフェロモンとしての役割もあります。
蟻にもこの道しるべフェロモンがあります。
どんな成分?
カメムシのにおい成分は、カメムシ酸と呼ばれているます。
ヘキサナール、オクテナール、ディセナールなどのトランス-2-ヘキセナールというものが主成分で、これは別名、青葉アルデヒドとも呼ばれます。
カメムシは、元は液体のこの成分を、足の付け根にある臭腺から出しています。
このにおいの成分には「アルデヒド」という毒性を持っており、カメムシを密封容器に入れて放置すると、自分の出した臭いで失神してしまうとか。
もっと時間を置くと、臭いで死んでしまう場合もあるそうです。
実は、カメムシが持つにおい成分「トランス-2-ヘキセナール(青葉アルデヒド)」は、私達が食べている食物にも含まれています。
キュウリ、トマト、キャベツ、リンゴ、バナナ、イチゴや茶葉などいろいろあります。
中でも、一番青くさい感じがするキュウリが、この「トランス-2-ヘキセナール(青葉アルデヒド)」を一番感じられるかもしれません。
またパクチー(コリアンダーまたは香菜)もあの特有のにおいが、カメムシのにおいを連想させます。
そもそもパクチーは「カメムシ草」という別名もあるほどです。
クサい?クサくない?
日本人の多くは、あのにおいを「クサい」と感じるようです。
しかし、中にはそう思わない人もいるようです。
ラオスの人は、カメムシのにおいを良いにおいだと認識しているそうです。
またラオスにはカメムシを食べる習慣もあり、そのにおいも楽しむようです。
またカメムシの中には、青リンゴのようなにおいを出す種類もいるとか。
においの認識は人それぞれのようです。
できれば近づきたくないカメムシですが、国や人によっては悪い印象ばかりではないようです。
しかし、苦手な方はくれぐれも触らないようにご注意を!
臭いを消す方法
このようにカメムシの臭いの元は「親油性」の物質ですので、手に付いた時に落とす方法として2つあります。
①油(サラダ油やオリーブオイル)でこすってから、石鹸で流す。
②界面活性剤入りの食器用洗剤・洗濯洗剤で洗う。
次に、衣服にカメムシの臭いがついてしまった場合は、どうすればいいのでしょうか。
手に付いた時のように油で落とす方法は、油じみになる可能性があるので、違う方法で取りましょう。
すぐに洗濯ができる場合は、界面活性剤入りの洗濯洗剤で洗うことで臭いは落ちます。
また、天気がいい場合は日干しするか、急いでいる場合はドライヤーを当てて熱を加えることで、臭いにおいのもとは消えていきます。
いかがでしたか。
不意に触ってしまったカメムシの臭いに困ったら、ぜひ、紹介した方法を試してみてくださいね。
そして、食器用洗剤で手を洗った際は、手の油分も取り去ってしまうので、ハンドクリームなどを塗ってケアしましょう。
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