皆さんは今までジンジンするような腕のしびれを経験したことがありますか?
おそらく寝起きにしびれを感じたことは多いかと思います。
それ以外では一般的な体の痛みである頭痛などよりもかなり頻度が低いので、経験した方は少ないのではないかもしれません。
普段経験したことのない感覚には不安になってしまいますね。
そこで今回は腕のしびれの原因、治し方などについてご説明したいと思います。
腕のしびれの原因
腕のしびれは神経の問題で原因には主には様々なものがあります。
そこで一つずつ見ていきましょう。
1つ目は脊髄が原因のしびれです。
脊椎が変形し頚椎を圧迫することで発生するしびれです。
これは突然発症する脳が原因のしびれと違い、じわじわと時間をかけてしびれが進行します。
両側がしびれる場合も、片側だけがしびれる場合があります。
具体的病名としては主に60代以降に多い変形性頚椎症があります。
2つ目は脳が原因のしびれです。
脳梗塞、脳出血などが起きるとしびれが出ます。
特徴は突然発症すること、さらにろれつが回らなくなったりします。
これは大変危険な状態なので救急車を呼ぶべきです。
3つ目は末梢神経が原因のしびれです。
末梢神経が原因のしびれは、脊髄が原因のしびれと同じく時間をかけてしびれが進行します。
違いは主に両側が均等にしびれることです。
4つ目は寝ているときなどの寝相で腕に体重がかかったことが原因のしびれです。
これは誰でも経験したことがあるはずです。
よく腕の筋肉や血管を圧迫したためにしびれたのではないかと思っている人がいますが違います。
これは腕の神経を圧迫したためにしびれを感じたものです。
一時的なものなのですぐ治る可能性が高く基本的に心配はいらないでしょう。
左右で痛みが伴う場合
左右の腕でしびれや痛みがある場合は前項の脳が原因のしびれである可能性(脳梗塞、脳出血)が高いと考えられます。
脳梗塞や脳出血の前兆としてちょっとした不自然なしびれがある場合もあります。
前兆としてのしびれはすぐに消える場合もありますが、脳のCTやMRIが撮影できる総合病院の内科を受診する必要があります。
現在では脳梗塞や脳出血の前兆であってもCTやMRIで発見することができます。
発見が早いほど開頭手術だけでなく脳保護薬による点滴中心の治療などといった採用できる治療法の幅が広がり、治癒の可能性も高まります。
またリハビリも軽く済み、回復までの期間も短縮されます。
たとえば早期発見により入院したとしても点滴治療開始から数日でリハビリを始められ、数週間で退院が可能になります。
もちろん後遺症も最小限で済みます。
これが発症後の開頭手術であれば入院期間、リハビリの強度、リハビリの期間、退院後の後遺症が重くのしかかってくることになります。
このように発症前の前兆で治療を受けるか、発症後に治療を受けるかで大きな差が出ますので、左右で痛みを伴うようなしびれがある場合は出来るだけ早く病院へ行くべきでしょう。
治し方
ここでは病気でなく一般的な疲労などのしびれの治し方を扱います。
治し方の前に予防法からご紹介します。
なんといってもしびれを起こさないことが大切です。
まず第一にデスクワークなどで同じ姿勢を長時間取らないことです。
人間の頭の重さは大体4kgから6kg程あります。
この状態でうつむくと、その約3倍もの重さが首にのしかかってきます。
このような負荷が毎日のデスクワークなどで続くと首への負担が積み重なり、首や肩の頑固な凝りや痛みから、腕へのしびれに繋がりやすく、一時的に治ってもすぐにまたしびれるようになりがちです。
これを避けるにはデスクワーク時に姿勢を正すこと、背筋が伸びるようなタイプのオフィスチェアを使うこと、PC画面を目線と合うような高さに調整する必要があります。
また座り過ぎは大変体に悪いと言われていますので30分に1度は席を立って体を動かすことも重要です。
第二に寝る時の工夫です。
寝ている時にはデスクワークの時と違って首への負荷は大分小さくなっており、問題がないかのように思われがちですがこれには落とし穴があります。
枕が首にあっていないと首から肩、肩から腕へのしびれという経路でしびれに繋がってしまうのです。
そこで自分の首にあった枕を選ぶ必要があります。
これは新しく枕を買わなくても可能です。
たとえば自分にとって心地よい高さになるようにタオルを巻いて自作枕を作ればいいのです。
さて治し方をご紹介します。
腕のしびれが筋肉疲労や寝ていた時の体重をかけすぎた場合はストレッチをすることでしびれを軽減することができます。
1.まず両手を組み、頭の上にできるだけ伸ばしたり、緩めたりを10回します。
2.次に頭の後ろで両手を組みましょう。
3.その状態で肘を前でくっつけるように閉じます。
4.そして肘を開き背中の肩甲骨を閉じるように動かします。
5.これを10回は繰り返します。
6.壁から足を30㎝ほど離し、両手を少し広めに開き、壁に付けます。
7.この姿勢で壁に向かって腕立てを10回します。
腕のしびれの原因と治し方はいかがでしたでしょうか?
単なる不自然な寝相による神経の圧迫から、危険性は低くても厄介な変形性頚椎症のような慢性的な病気、急性の深刻な脳梗塞などの病気まで様々な可能性がありました。
すぐにしびれが治らないならばぜひ病院で診察を受けてください。
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